手織り
[手織り]とは機械ではなく、簡単な織機(=機/はた)を用いて手で織ること。
また、自家で織ること。その織物。」
と広辞苑(第三版)にあります。
人々は、衣服を身にまとうようになってから
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)、 2つの別々の糸を 交互に織り合わせ
様々な工夫をこらし、布を作ってきました。
ここでは、先人たちが作ってきた いくつかの織り方をご紹介したいと思います。
[平織]
「経糸と緯糸を一本おきに交叉させて織る織り方」 (広辞苑より)
「最も普及していて、日常着やその他広く用いられている織り方。
捺染や彩色、刺繍にも理想的で、裁断や縫うことも容易にできる。
機を使うところでは、どこでも作られている織り方」(『世界織物文化図鑑』より)
単純な故に、織り手の技術力、デザイン力が試される 奥深い織り方だと思います。
縦縞も横縞も、チェックも織ることができ、 絣も、この平織りで作ることが多いです。
[昼夜織]
「昼と夜」のように表と裏の色合いが異なる布を(経糸効果で)織ることができます。
平織りの2倍の経糸を使用して生み出される「コントラストの美しさ」が とても魅力的です。
広辞苑によると…
昼夜帯というものが存在し、『白を昼に、黒を夜になぞらえ、片側に黒繻子、他の片端に白地をつけた女帯のことである』 とありました。そこから、昼と夜のように 色合いが異なる布 も指すようになったようです。
[綾織](=斜文織)
組織点(経糸と緯糸が交わる部分)が斜めの方向に連続して 斜線状を示す織り方。
できあがると、ななめの「うね」があらわれます。
組織点のずらし方によって、斜めの角度が変わり、様々なバリエーションを織ることができます。
綾織は、強固で丈夫な布を作れるこができることも特徴の1つで、ジーンズも綾織で作られているものが多いようです。
[めがね織]
布にめがねが並んでいるような 楕円形の模様ができる織り方。
丸くカーブする部分に太糸を使用すると 模様がはっきり出てきて かわいい布になります。
少し凹凸のある布になるので、私はコースターに使用しています。
[あぜ織]
「経糸または緯糸に太糸と細糸を互いにまぜて織地に凹凸を現した織物」
(広辞苑 第三版)より
経糸の密度を高くすると(写真は、1cmの巾に経糸を40本使用しています) 強くて丈夫な布になるので、カメラストラップやベルトなどを作成しています。
[浮織]
「糸を浮かせて模様を織り出すこと」(広辞苑より)とあり、
緯糸(よこいと)を浮かすことで ブロック模様が出てくる織り方です。
織りながら、ブロック模様の大きさを決めることができ 足の踏み方、色の加え方で様々な模様を織ることができます。
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参考資料:『広辞苑(第三版)』 /岩波書店
『世界織物文化図鑑−生活を彩る素材と民族の知恵』 /東洋書林
これらの織り方は、鎌倉のカジューアートスペースで学びました。
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